省エネの教科書とは

【2021年最新】企業の「脱炭素/CO2削減」方法14選

2020年10月の菅総理による「2050年カーボンニュートラル宣言」から、
2021年5月には「改正温対法」が成立するなど、
日本国内でも「脱炭素」を企業に求める流れが急加速しています

SDGs」や「RE100」等、
CO2削減/脱炭素」は以前から国際社会においては重要視されていましたが

「日本はまだそこまで関係ないだろう」
「中小企業にはまだ影響はないだろう」

と考えていた方も多かったのではないでしょうか?

いよいよ他人ごとでは無くなってきた「企業のCO2削減」

「具体的に何をすればいいのか分からない」
「お金をかけずにやれる方法はないの?」

そのように迷われている方も多いのではないでしょうか?

この記事では、そんな企業のCO2削減方法について、具体的な方法14選をご紹介します。
ぜひ御社の脱炭素施策にお役立てください。

※「蛍光マーカーが引いてある専門用語」にカーソルを合わせれば解説が表示されます。
省エネにあまり詳しくない方にも分かりやすい記事をお届けするため、
あらゆる専門用語に解説を付けています。どうぞお役立てください。

急速に高まる「国内企業への脱炭素の波」

まず、脱炭素の波が日本国内に急速に高まるまでの流れを確認しておきましょう。

SDGs・RE100などの国際社会の脱炭素への取組み

1997年の 京都議定書 合意や、2015年の SDGs 等、
国際社会では以前から「脱炭素・CO2削減」への取組みが進められて来ました。

詳しくはこちら

【SDGs/RE100】「CO2削減」が「企業収益」に直結する時代へ

2020年10月:菅政権「2050年カーボンニュートラル宣言」

CO2削減に対しての取組みが高まる国際社会に対して「日本は遅れている」状態でした。

しかし2020年10月に、菅政権は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする
「2050年カーボンニュートラル」に挑戦することを宣言しました。

読売新聞オンライン:菅首相「温室ガス2050年までにゼロ」…初の所信表明「グリーン社会」に意欲

この「2050年カーボンニュートラル宣言」から、
日本国内でも脱炭素に向けた動きが大きく加速することになりました。

2020年12月:「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」策定

上記の菅政権の「2050年カーボンニュートラル宣言」を受け、わずか2か月後に
2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が策定されました。

「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」とは?

「2050年カーボンニュートラル」に向け、具体的な見通しと高い目標を設け、
その実行計画を示したものです。

2つの税制優遇を創設

2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、税制優遇制度も創設されます。

1.カーボンニュートラルに向けた投資促進税制
1.大きな脱炭素化効果を持つ製品の生産設備の導入
2.生産工程等の脱炭素化と付加価値向上を両立する設備の導入

上記2項目の設備導入に対して
「最大10%の税額控除又は50%の特別償却」を受けることができる税制です。

詳細はこちら

詳細:経済産業省「令和3年度 経済産業関係 税制改正について」P3「(1ー1)カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の創設」

2.経営改革に取り組む企業に対する繰越欠損金の控除上限を引き上げる特例

新型コロナの影響により、損失が出ている企業にも
カーボンニュートラル実現等に向けた投資を行った場合には
欠損金の繰越控除を投資額の最大100%行える税制優遇です。

参考:経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」

ESG投資の促進

2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、
ESG投資 の促進」も目標に掲げられています。

3大メガバンクの環境融資目標を約30兆円と掲げ、
投資家が企業を評価する際に「環境への取組みを考慮する流れ」を加速させています。

「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」について詳しくはこちら

経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(経済産業大臣説明資料)」

経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」

2021年5月:改正温対法の成立

さらに国の大きな動きとして注目されているのが、2021年5月25日に成立した「改正温対法」です。

改正温対法とは?

改正温対法 は、正式名称を「地球温暖化対策推進法の一部を改正する法律案」といいます。
改正前の温対法と大きく変わったのは下記の3点です。

1.「2050年カーボンニュートラル宣言」が法に位置づけされた

「パリ協定」「2050年カーボンニュートラル宣言」が基本理念として法に位置づけされた

ことは大きな意味を持ちます。

「国が継続して取り組んでいく」事がハッキリした

法律に明記されるということは「国が継続して取り組んでいく」ことがはっきりしたということです。

「CO2削減に取り組む」という方針と目標が、政策の変更で変わる可能性が低くなった為
地方自治体や企業も、継続してCO2削減に取り組んで行けるということになります。

2.地方自治体に脱炭素の施策目標を追加

これまでは主に、大手企業に対して迫られていた「脱炭素」ですが、
国はもちろん地方自治体も同じ目標を持つことで

「国」「地方自治体」「企業」「国民」が一丸となって脱炭素に取り組みやすくなりました。

関係法令の手続をワンストップ化

地方自治体から認定を受けた事業計画については
関係法令の許可手続きをワンストップ化できる特例が受けられるようになりました。

3.企業の脱炭素の「見える化」

この改正が、特に企業にとっては重要な点になると思います。

・企業のCO2排出量の「電子システムによる報告」の原則化
・開示請求なしで公表される仕組みに

つまり

企業のCO2削減を「デジタル化」「見える化」する

ということです。

こうした取り組みと、
前述した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」での戦略を合わせて
ESG投資」を促進させることが目的になっています。

・企業のCO2削減が公になる
ESG投資 が「投資の基準」として急成長する

ことは「企業のCO2削減」がいよいよ近々の課題となってきた
ということを指すわけです。

大手企業のサプライヤーへの要求強化

また、最近ニュースでも話題になっているのが「大手企業のサプライヤーへの要求強化」です。

2021年3月:Apple、取引先110社が再エネ100%を表明

米アップルは31日、同社に納める製品の生産に使う電力をすべて再生可能エネルギーでまかなうと表明したサプライヤーが110社を超えたと発表した。

日本経済新聞「Apple、取引先110社が再エネ100%を表明 村田製作所も」

2021年6月:トヨタのサプライヤーへの要求

トヨタ自動車は直接取引する世界の主要部品メーカーに対し、2021年の二酸化炭素(CO2)排出量を前年比3%減らすよう求めた。

日本経済新聞「トヨタ、部品会社に21年排出3%減要請 供給網で脱炭素」

このように、大企業との取引においても「脱炭素」の必要性が高まっています。

企業はどうやってCO2削減に取り組むか

それでは企業は具体的にどのような方法でCO2削減に取り組めば良いのでしょうか?
「CO2削減の方法」として3つの大きな分類に分けて考えてみましょう。

1.再エネ電気への切り替え

まず「使う電気」を「再生可能エネルギー」に切り替える方法です。
後述しますが、CO2削減に大きな効果をもたらす方法です。

2.省エネでCO2削減

続いて「使用する電気」を省エネで削減し、CO2削減につなげる方法です。

3.カーボンオフセット

3つ目の方法としては、CO2を直接削減するのではなく
CO2削減活動に投資することにより、排出される温室効果ガスを埋め合わせることで
「実質的なCO2削減」を実現する方法です。

それでは順番に見て行きましょう。

1.再エネ電気への切り替え

まず最初の方法が「再エネ電気への切り替え」です。
「使う電気を再生可能エネルギーに切り替える」ことでCO2削減を実現します。

 

1-1.「再エネ由来の電気」への切り替え

「再エネ電気への切り替え」というと、
後述するような「太陽光発電導入」など規模の大きな設備導入しか選択肢が無いように考えてしまう方もいらっしゃるかと思いますが、「再エネで創った電気に切り替える」方法もあります。

メリット:導入費用がかからない

この手法のメリットは、導入費用がかからない点です。
元々電気を買っている、火力発電等で電気を創っている電力会社やプランから
再エネ電気の電力会社やプランに切り替えるだけで導入できます。

デメリット1:電気代の大きな削減にはならない

現状では再エネプランの多くは割高になっている為、
電気料金の削減にはなりにくい点がひとつめのデメリットです。

デメリット2:電力会社の倒産リスク

再エネ電気を扱っている電力会社の中には
新電力」と呼ばれる、大手電力会社以外の電力会社もあります。

新電力 導入のデメリットとして押さえておかなければならないのは
「電力会社の倒産リスク」です。

最近でも「電力価格高騰」が原因で倒産する新電力会社も出る等
問題点が取り上げられています。

参照:BCN+R「電力価格高騰で倒産する企業も!「新電力」の経営実態調査」

この為、倒産リスクの少ない電力会社選びが重要になってきます。

「再エネ100%電力プラン」リンク集

「再エネ100%電力プラン」を提供している電力会社やプランを下記にいくつかご紹介します。
再エネ電気の選択材料としてお役立てください。

グリーナでんき

東京電力エナジーパートナー「アクアエナジー100」

NTTスマイルエナジー「太陽のでんき」

ミツウロコグリーンエネルギー「ミツウロコグリーンプラン 非FIT電気100%」

中部電力「CO2フリーメニュー」

四国電力「再エネプレミアムプラン」

みんな電力「ENECT RE100プラン」

1-2.自家消費型太陽光発電

「再エネの導入」として注目されているのが「自家消費型太陽光発電」です。
社屋や工場の屋根に太陽光パネルを設置し、
太陽光発電で創った電気を使用することで「CO2削減」と「電気料金削減」を実現する方法です。

業種別:CO2削減量の目安

自家消費型太陽光発電」の導入により、削減できるCO2削減量の目安は以下の通りです。

屋根面積積載太陽光年間削減額年間CO2削減量
食品卸売業12,000 m21,000 kw¥17,850,000330,225kg-CO2分
冷凍倉庫6,000 m2500 kw¥7,594,000163,540kg-CO2分
製造業(生産工場)40,000 m23,600 kw¥79,451,0001,166,166kg-CO2分
製造業(軽作業)500 m245 kw¥960,00015,002kg-CO2分
製造業(鉄鋼業)350 m232 kw¥620,00010,768kg-CO2分
冷凍冷蔵運送業2,500 m2200 kw¥3,400,00066,360kg-CO2分

出典:株式会社エネテク「業種別シミュレーション」

補助金制度

自家消費型太陽光発電には、令和3年度において以下のような補助金も出ています。

PPA活用など再エネ価格低減等を通じた地域の再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業

地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する避難施設等への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業

廃熱・未利用熱・営農地等の効率的活用による脱炭素化推進事業のうち、営農型等再生可能エネルギー発電自家利用モデル構築事業

工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業

再エネの最大限の導入の計画づくり及び地域人材の育成を通じた持続可能でレジリエントな地域社会実現支援事業

建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業

導入費用のかからない「PPAモデル」

また導入費用がかからない「PPAモデル」という自家消費型太陽光発電の導入方法もあります。

「PPAモデル」とは?
発電所はエネルギーサービス会社が購入

自家消費型太陽光発電 を自社で所有するのではなく、
電力会社などのエネルギーサービス会社が購入し、運用費用や保守費用も負担します。

しかし設置場所は自社で提供

設置場所は自社内になりますが、
その場所を提供し、エネルギーサービス会社の発電所を創る形になります。

自社施設内に設置した、他社の発電した電気を購入する

そして 自家消費型太陽光発電 で発電した電気を購入します。

つまり導入費用をかけずにCO2削減が可能になる 自家消費型太陽光発電 の導入方法です。

「2050年には発電量の約50~60%を再エネで賄う」

2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」でも
「2050年には発電量の約50~60%を再エネで賄う」ことを参考値にして議論を進める方針です。

2050年には発電量の約50~60%を再エネで賄うことを、議論を深めて行く
に当たっての一つの参考値とし、今後の議論を進める。

引用元:経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(経済産業大臣説明資料)」

このように、再エネの導入促進は
「2050年カーボンニュートラル」においても重要な課題
になっており、
その中でも、他の再エネと比べて導入しやすい「自家消費型太陽光発電」は、
企業がCO2削減を目指す上で、押さえておきたい方法です。

自家消費型太陽光発電について詳しくはこちら

自家消費型太陽光発電については、こちらで詳しく解説しています。
ぜひこちらも併せてご参照ください。

【2021年最新】 自家消費型太陽光発電の4つのメリットと事例

※省エネでCO2削減を考える際の注意点

次に「省エネでCO2削減する方法」をご紹介する前に、
「省エネによるCO2削減量の考え方」についての注意点をご紹介します。

「使用している電気が再エネかどうか」によって
省エネによるCO2削減量は変わってきます。

まずこちらを先に確認しておきましょう。

全て「非再エネ電気」を利用している施設の省エネの場合

まず、非再エネ電気を購入し、全ての電気を賄っている施設において
「電気設備の省エネ」を行った場合には下記のようになります。

図のように、使用電気量を削減率とCO2削減率は同じになります。

全て「再エネ電気」を利用している施設の省エネの場合

対して、使用する電気を「自家消費型太陽光発電」や「再エネ由来の電力」等で
再エネで「100%賄えている」施設の場合にはどうなるでしょうか?

図のように、使用電気量を削減したとしても、CO2の削減にはなりません。
「元々再エネ100%で賄っている場合、そもそもCO2を排出していない電気を使っている」ので
その電気の使用量を減らしても、CO2を削減することにはならないのです。

部分的に「再エネ電気」を利用している施設の省エネの場合

それでは、部分的に再エネ電気を使用している場合にはどうなるのでしょうか?

例)電気使用量の50%が再エネ電気の場合

図のように、使用電気量を削減した20%は、
「非再エネの使用電気量」から引かれます

元々再エネで調達した電気はCO2を排出していない為、
CO2の排出量は「電気の全使用量の30%」になります。

「再エネ導入」の「CO2削減」のインパクトは大きい

こうして見て行くと「再エネ導入」の「CO2削減」の
インパクトの大きさが分かります。

CO2の排出は、上流である「使用する電気を再エネにする」ことから始めると
大きなCO2削減に繋がるのです。

2.省エネでCO2削減

では「使用する電気量を抑える」省エネによるCO2削減方法についてご紹介します。

空調のCO2削減

使用電気量に占める割合で、最も大きなものは「空調」になります。
この為、まずは空調の省エネ方法についてご紹介して行きます。

業種別:使用電気量の内訳





このように、製造業を除くほとんどの業種において、
使用電気量が最も多いのが「空調」になっています。

2-1.人の手による省エネ

まず、費用をかけない空調の省エネ方法として「人の手による省エネ」があります。

「人の手による省エネ」手法と効果の目安
施策省エネ効果の目安頻度等
フィルターの清掃冷房時で約4%
暖房時で約6%の省エネ
2週間に1度が目安
室外機の温度環境や障害物の見直し室外機の風通しが悪いと電気代は1.5倍に。
熱交換器(フィン)の清掃長期間行わなかった場合に比べて約27%の節電・工場/店舗・・・約3年
・事務所/オフィス・・・約5年
・福祉施設/医療施設・・約5年
部屋に応じた適正温度の設定室温の目安は「夏期 28℃、冬期20℃」で
1℃最適化するだけで約10%の削減が可能。
冷水出口温度設定値の変更冷水温度を7℃から9℃へ上げると
使用電力は8%削減
外気導入量の削減・オフィスビル・・・節電効果5%
・卸・小売店・・・節電効果8%
・食品スーパー・・・節電効果4%
・医療施設/福祉施設・・・節電効果2%
・製造業・・・節電効果8%
残熱利用による運転時間の短縮約6%の省エネ
(8時間勤務のオフィスで30分間空調停止した場合)
分散起動冬の商業施設で約9%の削減効果
ナイトパージ約5%の省エネ
(ナイトパージシステム 利用)
ブラインド等で遮光するブラインド無しの場合と比較して10.6%の省エネ効果

このように、人の手による省エネでも、大きな効果があります。

詳しくはこちら

それぞれの手法の詳細についてはこの記事では紹介いたしませんので
詳しくは、下記記事をご確認ください。

【2020年最新版】空調の省エネに効果大!テクニック18選「人の手による省エネ 11の方法」

2-2.高性能空調機への買替

「高性能空調機への買替」は「空調の省エネ」でまず浮かぶ方法かと思います。
しかしその効果はどれほどあるのでしょうか?

CO2排出量を26%削減

参照元:ダイキン「エアコンの省エネルギー性向上」

上記はダイキン社のエアコンで2009年製から2019年製に買い替えた場合の例ですが、
現在お使いの年式やメーカーによって効果は異なるものの、大きな効果が期待されます。

2-3.α-HT(流体攪拌装置)

しかし高性能空調機への買替は、費用も大きくかかります。
そこで費用を抑えつつ空調機器のCO2を削減する方法として
α-HT(流体攪拌装置)」というものもあります。

空調の配管に挿入するだけ

設置イメージ

写真のように、配管に挿入するだけで空調の省エネ、CO2削減に繋がる機器になります。

15~30%の省エネ効果

配管に挿入するだけですが、15~30%の省エネ効果が期待されます。

なぜ省エネできる?

空調機の動力は、消費電力の90%を占めています。
その圧縮機の負担を下げる為に、配管に挿入したα-HTが循環物を攪拌(こうはん)することで
省エネ・CO2削減に繋げるという機器になっています。

簡単に取り付け可能で省スペース

高性能空調機への買替に比べて費用が抑えられるだけでなく、
簡単に取り付け可能で、ランニングコストやメンテナンス費用もかからず
スペースも取らない点が魅力です。

詳しくはこちら

エネテク「空調の省エネ革命「αーHT」」

2-4.遮熱塗料

遮熱塗料や断熱塗料で施設内の気温の変化を抑えることで
空調費用を抑えることも、CO2削減のための取組みとして有効です。

効果の参考になる動画

「塗料でどこまで遮熱・断熱できるのだろうか」
とお考えの方もいらっしゃるかと思います。

上記は、日進産業の高機能断熱塗料「ガイナ」の例ですが、
動画でご覧いただけると効果が分かりやすいかと思います。

遮熱塗料の省エネ効果

各主要メーカーの遮熱塗料による省エネ効果について、
環境省が行った実証結果もありますので、参考にご紹介いたします。

メーカー名商品名夏季14時の体感温度抑制効果冷房CO2削減率
(6~9月)
アステックペイントEC-100F0.4℃3.90%
アステックペイントEC-100ダートガード(ECー100DG)1.7℃3.20%
日本ペイントニッペ ヤネガード (クール色)1.7℃3.20%
日本ペイントニッペ サーモアイ 4F1.5℃3.30%
日本ペイントニッペ サーモアイ UV1.9℃3.70%
日本ペイントニッペ サーモアイ Si1.8℃3.40%
日本ペイントフォルテシモRF1.8℃3.40%
日本ペイントATTSU-9(4F)1.8℃3.50%
エスケー化研クールタイトスターF1.5℃2.80%
エスケー化研クールタイトスターSi1.6℃2.90%
関西ペイントアレスクール1液F1.5℃3.00%
関西ペイントアレスクール水性F1.5℃2.90%
関西ペイントアレスクールワン1.7℃3.30%
関西ペイントアレスクール水性Si1.6℃3.20%
関西ペイントアレスクール1液Si1.7℃3.30%
関西ペイントアレスクール2液Si1.2℃2.50%

環境省「ヒートアイランド対策技術分野(建築物外皮による空調負荷低減等技術)”実証済み技術一覧”」より、大阪の工場における実証結果を算出

工場は[床面積:1000㎡、最高高さ:13.0m、構造:S造(鉄骨造)を条件としています。

遮熱塗料・断熱塗料主要メーカーリンク

遮熱塗料や断熱塗料はさまざまなメーカーから販売されています。
主要メーカーをいくつかご紹介しますので、ご参照ください。

アステックペイント「遮熱塗料特集」

アステックペイント「工場・倉庫屋根用塗料特集」

日本ペイント「建築用塗料(ビル・集合住宅・戸建て住宅)」

日進産業「ガイナとは?」

エスケー化研「遮熱性能について」

関西ペイント「アレスクールのWブロック効果」

2-5.空調制御システム

空調制御システムを導入することで、
最適な温度環境を保ち、無駄な電力消費を抑えてCO2削減と省エネを実現する方法もあります。

上記でご紹介した「人の手による省エネ」でも
適正温度の設定を守ることはできますが、それらを自動化し最適な温度に保ちます。

メーカーによって数値は変わりますが、
10%~30%ほどの省エネ効果があるとされています。

製品例

NTTファシリティーズ:スマート空調制御システム<Smart DASH>

RICOH Smart MES 照明・空調制御システム

Johnson Controls:ビル空調自動制御装置

2-6.ビニールカーテン

工場などの広いエリアで空調機器が使われている場合、
人のいるエリアだけに空調を効かせるために、ビニールカーテンで仕切る方法もあります。

製品例

スタイルダートプロ:工場・倉庫・店舗などの業務用カーテンレール・ビニールカーテン

空調以外の機器のCO2削減

次に、空調以外の省エネ方法をご紹介していきます。

2-7.エネルギーマネジメントシステムによる消費電力の管理

エネルギーマネジメントシステムとは?

エネルギーマネジメントシステム(EMS)は、
施設内で使用されている電気の使用状況を「見える化」できるシステムです。

EMS そのものが省エネに繋がるといったものではありませんが、
電気の使用状況を見える化することで
「どこを削減すべきか」的確な対応や効果測定が可能になります。

詳しくはこちら

エネルギーマネジメントシステムにつきましては、
詳しくはこちらの記事をご参照ください。

【2020年最新】エネルギーマネジメントシステムの基礎と製品例

2-8.LED照明の導入

前述した、業種ごとの電力使用状況を見ても、
空調の次に多くの業種で上位を占めているのは「照明」です。

LED電球への切り替え

LED電球への切り替えが省エネになることは広く知られていますが

「一般電球に比べて約85%の省エネ」
「電球形蛍光灯と比べて約27%の省エネ」

になると言われています。

参照元:一般社団法人 日本照明工業会

2-9.キュービクルの消費電力ロス削減

あまり知られていませんが、屋上や屋外などに設置されている 高圧受電装置キュービクル)やも省エネで着目すべき設備です。


キュービクル内には「電力ロス」が生まれる

キュービクル内には、使用されずに無駄になる「一定の電力ロス」が生まれることがあります。
しかしこの「電力ロス」も電気料金として加算され、
電気を使用している為「CO2を排出している」ことになります。

その為、この電力ロスを低減することで
「CO2排出量を下げる」ことに繋がります。

電力ロスが生まれる原因

ロスの原因は、キュービクル内の部品の老朽化や故障など
原因は多岐に渡る為、専門家による点検で原因を精査して改善する必要があります。

電力ロスの確認方法は「力率」を見る

こうした電力ロスが出ているかどうかの確認方法としては、
力率」を確認すると分かりやすいです。

力率が100%であれば、電力ロスは生まれておらず
その割合が低いほど、多くの電力ロスが出ていることが分かります。

電気料金請求書に「力率」が記載されている電力会社もありますので
確認してみると良いでしょう。

普段の点検が重要

こうしたキュービクルで発生する電力の無駄を防ぐためには、
定期的な点検がとても重要になってきます。

保安サービスリンク

エネテク:保安管理事業

2-10.電気自動車の導入

電気自動車への切り替えもCO2削減には効果的です。

電気自動車自体はCO2を排出しない

このことは皆様もご存知かと思います。
しかしガソリンの代わりに使用する「電気」を発電するときにCO2を排出します。

電気自動車のCO2削減効果は55%

発電時に排出されるCO2を加味して考えると、
(日本国内の場合)電気自動車を導入することで「55%のCO2削減」効果になると言われています。

参考:国立研究開発法人 国立環境研究所「電気自動車は環境にやさしいの?」

再エネ電気を使用すれば100%も可能

前述のように、社内で再エネ電気を使用している場合には、
その電気を使って行けば、自動車におけるCO2削減量もより高くすることができます。

生産設備の省エネ

生産設備の省エネについては、業種ごとに種類が多い為ここでは紹介しませんが、
下記記事が参考になるかと思います。よろしければご参照ください。

エネテク「工場におけるコンプレッサの省エネ方策について」

【2020年決定版】工場の省エネ≪設備別≫21の方法

2-11.働き方改革によるCO2削減

近年「働き方改革」やコロナ禍における「テレワーク」が推奨されていますが
こうした取り組みも「脱炭素」に繋がります。

環境省からも具体的な取り組み内容と簡易算定ツールが配布されています。

どのような取り組みがCO2削減になる?

環境省から配布されている資料に紹介されている
働き方改革と脱炭素を両立できる主な取組みは以下の通りです。

1.通勤方法を変更する(車→鉄道など)
2.テレワーク・自宅作業を実施する
3.残業時間を減らす
4.オフィスでできる取組にチャレンジする

参考:環境省「働き方改革とCO2削減等の両立に向けて」

「働き方改革によるCO2削減効果」簡易算定ツール

さらにそれらの取組みに対して、
どれほどの量のCO2削減に繋がるかを簡易算定できるツールも配布されています。

環境省「働き方改革によるCO2削減効果」簡易算定ツール

算定例

以下は、上記のツールで算定してみた一例です。

取組内容設定CO2削減量CO2削減量を
エアコンの稼働時間に換算すると・・・
オフィス全体に対するCO2削減率
通勤方法を変更する(車→電車)往復30kmを車通勤していた社員20名を「電車通勤」に変更した場合の年間削減量約 18,620 kg-CO2約112時間分
(1日約27分停止に相当)
約11%
テレワークによる通勤時のCO2削減往復30kmを車通勤していた社員20名を年間200日「テレワーク」に変更した場合の年間削減量約 17,400 kg-CO2約104時間分
(1日約25分停止に相当)
約11%
残業時間を減らす20名の社員の1日平均2時間だった残業時間を1日1時間に削減した場合の年間削減量約 16,284 kg-CO2約98時間分
(1日約27分停止に相当)
約10%

※従業員50名のオフィスの平均CO2排出量13.5t-CO2(参照元「日本のオフィスの平均的CO2排出量)で年間業務日数245日(年間休日120日)、1日の所定労働時間8時間の企業で算出。
※エアコンの消費電力369kWh、電力のCO2排出係数を日本平均で0.419kg/kWhとして算出。

このように、働き方改革の取組みにおいても
脱炭素に向けて一定の効果が期待できます。

3.カーボンオフセット

再エネの導入や省エネだけでは、目指すCO2削減量を達成できない場合には
カーボンオフセット」という方法があります。

カーボンオフセットとは?

CO2排出量の削減において、削減しきれない分を、
温室効果ガスの排出削減量を購入したり、植林や環境保護への寄付などを通じて
埋め合わせることを言います。

実際にCO2を削減しているわけではない

つまり、実際にCO2を削減するわけではなく
それに相当する活動を行って相殺する方法になります。

CO2削減に取り組んだ上で、削減しきれない分に用いるのが望ましい

カーボンオフセット で削減すれば良いという種類の方法ではなく、
あくまでも先に紹介したようなCO2削減を取り組んだ上で
削減しきれない分に用いるのが望ましい手法です。

「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」
でも不可欠とされている

前述した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」においても
カーボンオフセット への取組みが不可欠であるとされています。

2050 年カーボンニュートラルの実現には、ゼロエミッションが困難な排出源をカバーするネガティブエミッションが不可欠

引用元:経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」

透明性を持って取り組むことが重要

しかし「カーボンオフセット」は、どれだけ具体的なCO2削減になっているかが分かりづらい為、投資家や消費者に向けて透明性を持った活動を行う必要があります。

環境省から発行されている「カーボンオフセットガイドライン」には、
透明性を持って行えるように下記のような「6つの重要事項」が示されています。

(1) カーボン・オフセットの対象となる活動に伴う排出量を一定の精度で算定する必要があること
(2) カーボン・オフセットが、自ら排出削減を行わないことの正当化に利用されるべきではないこと
(3) カーボン・オフセットに用いられるクレジットを生み出すプロジェクトの排出削減・吸収の確実性・永続性の確保及び排出削減・吸収量が一定の精度で算定される必要があること
(4) カーボン・オフセットに用いられるクレジットを創出するプロジェクトの二重登録、実現された削減・吸収量に対するクレジットの二重発行及び同一のクレジットが複数のカーボン・オフセットの取組に用いられることを回避する必要があること
(5) カーボン・オフセットの取組について適切な情報提供を行う必要があること
(6) オフセット・プロバイダーの活動の透明性を確保する必要があること

引用元:環境省「カーボンオフセット・ガイドライン」

(2)に「自ら排出削減を行わないことの正当化に利用されるべきではない」と記されているように
充分な再エネ導入や省エネでのCO2削減を充分に行った上で取り組むことが重要です。

具体的にはどのような方法があるの?

環境省の「カーボンオフセット・ガイドライン」によると
大きく分けて5つの取組みに分けられます。

1.オフセット製品・サービス

カーボンオフセット で製造過程のCO2を吸収した商品を販売し
「製造過程のCO2削減量を吸収した商品」という付加価値を付けて販売する方法です。


出典:環境省「カーボンオフセット・ガイドライン」

例)カーボンオフセットを活用したTシャツの販売

販売元が「このTシャツは製造過程のCO2排出量分を植樹に寄付して吸収しています」と表記して販売。
購入者は商品を購入することで、CO2削減に参画できる。

このようなことができるようになるのです。

2.会議・イベントのオフセット

こちらも「1.オフセット製品・サービス」と似ており、
商品が「会議・イベント」に指し変わったと考えれば分かりやすいのですが

「開催で発生するCO2削減量を吸収してCO2を吸収したイベント」
として参加者はCO2を排出していないイベントに参加できます。


出典:環境省「カーボンオフセット・ガイドライン」

3.自己活動オフセット

こちらはよりシンプルで、企業が掲げたCO2削減目標に対して、
削減しきれない分を「購入」したり「環境保全」に貢献することでCO2排出量を下げる方法です。


出典:環境省「カーボンオフセット・ガイドライン」

J-クレジット制度

CO2削減量を購入する方法として、日本には「J-クレジット制度」という制度があります。

詳しくはこちら

【SDGs/RE100】「CO2削減」が「企業収益」に直結する時代へ

4.クレジット付製品・サービス

こちらは「1.オフセット製品・サービス」や「2.会議・イベントのオフセット」と
良く似ていますが、大きな違いは購入した者に「CO2を削減した」というクレジットが付与される点が異なります。


出典:環境省「カーボンオフセット・ガイドライン」

例)カーボンオフセットクレジット付のコピー用紙

「カーボンオフセットクレジット付のコピー用紙」を購入することで、
従来のコピー用紙では製造過程で発生していたCO2を削減でき、
購入した企業のCO2削減量に加えることができます。

5.寄付型オフセット

こちらは、購入者からの寄付を、企業のカーボンオフセットに使用する方法です。


出典:環境省「カーボンオフセット・ガイドライン」

例)販売額の一部をクレジット購入に用いるスポーツウェア

カーボンオフセット取り組み事例

それでは具体的に、カーボンオフセット の企業の取組み事例を見て行きましょう。

ファミリーマート:プライベートブランド「We Love Green」

ファミリーマートは、環境配慮型プライベートブランド「We Love Green」の商品における
原料から製造、廃棄までに発生するCO2排出量分を、

インドの水力発電プロジェクトによって削減された「CO2排出枠」を日本政府に譲渡する
カーボンオフセットキャンペーンを実施しました。

詳細:ファミリーマートの環境配慮型プライベートブランド「We Love Green」商品15種類のCO2排出量をオフセット〜「カーボン・オフセットキャンペーン」を実施 〜

九州電力:森林管理支援でカーボンオフセットを実施

九州電力は、自社のカーボンオフセット事業として
福岡県久山町の町有林管理支援をはじめ、他地域でも森林管理支援でカーボンオフセット事業の展開を模索。

詳細:九電、森林管理支援でカーボンオフセット 福岡・久山の町有林で事業開始

阪神タイガース:「カーボン・オフセット試合」開催を発表

阪神タイガースは、大阪ガスと阪神甲子園球場の3社で「カーボン・オフセット試合」を開催すると発表。
試合で排出されるCO2(80t~90t-co2)を「J-クレジット制度」を使ってオフセットします。

詳細:阪神が大阪ガスと「カーボン・オフセット試合」 OB近本、自身も「環境問題に目を」

アイシン:一般家庭のエネファームのCO2削減量をJ-クレジットに販売する取り組み

アイシンは、家庭用蓄電池エネファームを使うことで、家庭で削減されたCO2排出量を「J-クレジット制度」を使って企業に販売する取り組みの実証を豊田市と行うことを発表しました。

詳細:アイシンと豊田市、エネファームでJ‐クレジット創出 地域循環モデル構築

このように、さまざまな企業がさまざまな観点で「カーボンニュートラル」を取り入れ、
企業の販売戦略にも活かしています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

日本国内に急激に広がる「脱炭素」の波と、
それに対して企業が取り組める具体的な方法について
ご理解頂けたのではないかと思います。

政府の戦略を見ていると、今後「ESG投資」も加速し
より一層「企業の脱炭素への取組み」が企業の利益にも直結するようになっていくことが想像できます。

特に「再エネの導入」は脱炭素へのインパクトが大きい施策ということも
お分かり頂けたのではないかと思います。

自家消費型太陽光発電」についてより詳しくお知りになりたい方は、
続いて下記の記事もご参照頂ければ幸いです。

皆様の「脱炭素」への取組みの参考になれば幸いです。

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