※2024年10月30日:最新情報に更新しました。
近年、注目されている太陽光発電の導入方法「オンサイトPPA」。
「初期費用がかからない」ことなどで注目を集めていますが、
他にはどのような特徴があるのでしょうか?
本記事では、
オンサイトPPA について、要点だけおさえたい方も、
詳細まで詳しく知りたい方も、本記事をお読みいただければ、
お求めの情報を得られるかと思います。
ぜひ本記事を、オンサイトPPA の検討資料としてお役立てください。
目次
オンサイトPPAとは、発電事業者が太陽光発電設備を需要家の敷地内に設置し、
契約期間の間、契約料金で電気を供給する仕組みです。
初期費用や設置後の運用・メンテナンス費用を発電事業者が負担するため、
需要家にとってメリットの大きい施策となります。
但し、デメリットとして、15~20年間と長期での契約となるため、
撤退や移転がある事業は、導入が難しい施策でもあります。
電気料金が高騰している昨今では、通常の電気料金より安くなるケースも多く、
「Co2削減」の対策にも効果的です。
また、よく一緒に名前が出てくるオンサイトPPAとオフサイトPPAの違いを簡潔にまとめると、
太陽光発電設備を設置する場所の違いです。
電気を使う施設と同一敷地内に設置する場合は、オンサイトPPA。
逆に、電気を使う施設と違う敷地に設置する場合は、オフサイトPPAになります。
さらに、わかりやすく図で見て行きましょう。
「オンサイトPPA」とは、上のイラストのように
それではより詳しく、オンサイトPPA のメリットから特徴を見て行きましょう。
オンサイトPPA には、下記のようなメリットがあります。
順番に解説していきます。
「初期導入費用がかからない」ことは、オンサイトPPA の最も大きな特徴と言えます。
従来の 自家消費型太陽光発電(自社所有モデル)においては、太陽光発電所 を自ら購入して設置する必要がありました。
しかし「オンサイトPPA」においては「他者(PPA事業者)の発電所」を設置するため、
導入費用は他者(PPA事業者)が負担することになり、電気を使用する自社(需要家)は導入費用を負担する必要がありません。
同様に「メンテナンス費用がかからない」点もメリットのひとつです。
オンサイトPPA においては、太陽光発電所の所有者は「自社(需要家)」ではなく
「他者(PPA事業者)」になります。
そのため、メンテナンスも太陽光発電所の持ち主である「他者(PPA事業者)」が行うため
「自社(需要家)」は費用を支払う必要はありません。
オンサイトPPA の大きなメリットのひとつが「電気料金の削減になる」点です。
ここ数年、ウクライナ情勢などの影響による「電気料金の値上り」が企業にとっても深刻な問題になっています。
オンサイトPPA の導入は、この問題の解決策にもなります。
従来の 自家消費型太陽光発電 においては、自分で発電所を導入するため、電気料金はかかりませんでした。
オンサイトPPA は、PPA事業者 の所有する太陽光発電所から「電気を購入する」ため
「電気料金の削減にはならない」印象を持ってしまう方もいるのですが
オンサイトPPA は、一般の電気料金よりも「安価」ですので電気料金の削減効果もあるのです。
オンサイトPPAの電気料金は
がおおよその相場となっています。
出典:自然エネルギー財団「コーポレートPPA日本の最新動向(2022年8月)」
オンサイトPPA の電気料金だけをみても、どれほど安いのか分かりにくいかと思いますので
一般の電気料金と比較してみましょう。
上のグラフは「低圧(従量電灯)」「高圧」「特別高圧」の全国の電気料金平均単価の推移と
前述の オンサイトPPA の電気料金単価「9~11円/kWh」を比較したものになります。
オンサイトPPA を導入すると、
事が分かります。
オンサイトPPA 導入の4つ目のメリットは「CO2が削減できる」という点です。
オンサイトPPA の特徴というよりも「自家消費型太陽光発電」の特徴になりますが、
具体的にどれほどの削減効果があるのか、目安となるイメージを見て行きましょう。
このように「一般家庭の電気における年間CO2排出量」や「杉の木1本当たりの年間CO2吸収量」に換算してみると削減の規模の大きさが良く分かるかと思います。
最も削減量の多い「製造業(生産工場)」の例で見ると、世帯換算で「約483世帯」で、ひとつの大きな住宅街ほどの排出量、杉の木に換算しても「約83,298本分(約28ha)」と、山一つ分ほどの大きな削減量があることが分かります。
前述の「電気料金の削減」とも関連してきますが「再エネ賦課金がかからない」点も オンサイトPPA の大きなメリットのひとつです。
従来の一般の電気料金には「再エネ賦課金」がかかります。
再生可能エネルギーの普及促進のため、政府は、再エネで発電された電気を優遇された金額で
小売電気事業者 が買い取る制度「FIT(固定価格買取制度)」を行っています。
その優遇された買取価格は「再エネ賦課金」という名前で
小売電気事業者 を介して電気を購入する場合には支払う必要があります。
オンサイトPPA は、小売電気事業者 を介していないためこの「再エネ賦課金」がかかりません。
これも電気料金に関連するメリットですが、
オンサイトPPA の電気料金は、基本的に一定の金額で固定されます。
現在の電気料金も、ウクライナ情勢による燃料価格変動の影響を大きく受けています。
そうした影響を受けなくなるのも、オンサイトPPA を導入するメリットのひとつです。
オンサイトPPA で設置した発電所は、災害などで一般の送電網が停電した際にも
非常用電源として活用することが出来ます。
オンサイトPPA には、国や都道府県からの補助金制度を活用することができます。
初期費用などは、PPA事業者 の負担になりますので
「電気を使う側には補助金は関係ないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが
補助金を活用することで、PPA事業者 の発電所導入費用が削減でき、電気料金を低減することにも繋がるため、電気を使う側にとってもメリットがあります。
国からの補助金制度で、オンサイトPPA にも活用できるのが
「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」という補助金制度です。
自家消費型太陽光発電 と蓄電池を同時導入する際に受けられる補助金制度です。
令和6年度の公募は、2024年3月5日現在、まだ行われていませんが
すでに「補助事業者」は決定していますので、公募は実施される見通しです。
補助金情報については、下記の記事で詳しく解説しています。
公募情報も随時更新していますので、公募状況はこちらでご確認ください。
契約期間終了後には、発電所は無料譲渡され自分たちのものになるのが一般的です。
そうなった場合、発電した電気は無料で使用できるため、電気料金をさらに抑えられます。
現在、環境への取り組みへの社会からの関心が大きく高まっています。
再生可能エネルギーを導入することで、企業好感度を上げることができます。
「追加性 のある再エネ」を導入できることも、オンサイトPPA の大きなメリットのひとつです。
「追加性」とは「世の中に新たに追加された再エネ」のことです。
例えば「中古の発電所を導入するなど、元々あった再エネを自社で使う」といった場合、その再エネは世の中には元々あったもので、地球全体で考えれば、新たな再エネを生み出したことにはなりません。
しかし、オンサイトPPA は基本的に新設になるため「追加性 のある再エネ」になります。
この「追加性 の有無」は、SDGs の達成を目指す社会で重要視されています。
RE100 の「再エネの調達条件」でも、運転開始から15年以内が条件となっており、
新たに開発された再エネ、つまり「追加性 のある再エネ」が重要視されています。
また、その反面 オンサイトPPA にはデメリットもあります。
従来の、自分たちで所有する 自家消費型太陽光発電(自社所有モデル)では、発電した電気を自分で使用するため、発電した分の電気料金はかかりません。
オンサイトPPA は、安価ではあるとはいえ、電気を購入する必要がありますので、月々の電気料金がかかる点は、デメリットであると言えます。
PPA事業者 が設置した太陽光発電所から電気を購入する契約は、
15年から20年と長期間になる場合がほとんどです。
その間、発電所を撤去や移動させることはできませんので
将来的に、建物の建て替えや移転などの可能性がある場合には注意が必要です。
契約期間が長いため、その間の発電設備の交換や処分ができない点もデメリットです。
契約期間中は、発電所は PPA事業者 のものであるため、自社の都合で部品などの交換ができません。
自社で所有している太陽光発電所の場合には、余った電気を売ることができますが
オンサイトPPA の場合には、発電所の持ち主は PPA事業者 であるため、余った電気を売る事はできません。
オンサイトPPA を導入する場合、PPA事業者 の審査を受ける必要があります。
設置場所の条件や、経営状況によっては審査を通らない可能性もあります。
前述のように、オンサイトPPA の契約期間は15年から20年と長期に渡ります。
その長期間、経営状況を維持できるかどうかは、PPA事業者 にとってはリスクを避ける為に判断が必要になるのです。
また、敷地が狭い、塩害地域や屋根の形状上設置が難しいなど、発電所の設置が困難な場合は、PPA事業者から断られる可能性があります。
オンサイトPPA や 自社所有モデル の場合には、自社敷地内に設置できる太陽光発電所の大きさによって、発電量が決まってきます。
電気使用量や発電所を設置できる広さによっては、充分な発電量を確保できないこともあります。
契約終了後には、太陽光発電所は、自社の所有物になり
発電した電気も購入せずに自分で使用することができるようになります。
この点は前述の通りメリットではあるのですが、メンテナンスや修繕も自分たちで責任を持つことになります。
長期の契約期間を過ぎて、発電所も老朽化しているため、メンテナンスや修繕の負担が大きくなりやすいという傾向があります。
ここまでで、おおよその「オンサイトPPA」の特徴はご理解頂けたのではないかと思います。
続いて、より詳しく知りたい方向けに「他の自家消費型太陽光発電モデル」との比較を解説していきます。
ここまで、オンサイトPPA のメリット・デメリットから特徴を解説してきましたが、
実際に検討する際には、他の 自家消費型太陽光発電 との比較も重要になってきます。
まず、自社で自社敷地内に太陽光発電所を導入する「自社所有モデル」との比較を見て行きましょう。
「自社所有モデル」とは、下図のように、自社の敷地内に「自社所有」の太陽光発電所を設置する
自家消費型太陽光発電 のモデルです。
自社所有モデル は、自家消費型太陽光発電 としては最初に普及したモデルです。
というモデルです。
オンサイトPPA とは異なり、導入費用やメンテナンス費用は自社(需要家)が負担しますが、その代わりに月々の電気料金はかかりません。
オンサイトPPA と 自社所有モデル を比較すると、下の表のようになります。
順番に解説していきます。
自社所有モデル と オンサイトPPA を比較して、オンサイトPPAの方が優れている点は、
という2点が大きなポイントです。
自社所有モデル との比較においても
初期費用がかからない点が、やはり最も大きなポイントになります。
同様に、オンサイトPPA の方が劣っている面もあります。
自社所有モデル と オンサイトPPA を比較して、オンサイトPPAの方が劣っている点は、
という5点が大きなポイントです。
オンサイトPPA は、初期の導入費用はかからないのですが
導入費用は毎月支払う電気料金の中に含まれており、さらに PPA事業者 の利益も乗っています。
ですので、長期的に見れば、PPA事業者 の利益が乗っている分、
自社所有モデル の方が長期的な利益のほうが多くなります。
このようにさまざまなデメリットもありますが、
それでも初期費用がかからないメリットは大きいです。
また、どちらにも共通する特徴もご紹介しておきます。
自社所有モデル と オンサイトPPA に共通する特徴は以下の通りです。
上記の特徴は、次にご紹介する「オフサイトPPA との比較」においては
異なるポイントになってきます。
それでは、自社所有モデル と オンサイトPPA を比較した際に、
それぞれを選択するのはどんなポイントがあるのでしょうか?
自社所有モデル と比較して、オンサイトPPA を選択するケースとしては
場合に、選択するケースが多いです。
反対に、自社所有モデル を選択するケースとしては、
場合に、選択するケースが多いと考えられます。
続いて、オフサイトPPA との違いについて解説していきます。
「オフサイトPPA」は名称も オンサイトPPA と似ていますので、混同する方も多いのではないかと思います。
まず、オフサイトPPA とはどのようなモデルなのでしょうか?簡単に解説して行きます。
オフサイトPPAは、図のように
というモデルです。
つまり、オンサイトPPA との大きな違いは「太陽光発電所が敷地外にある」という点になります。
それでは具体的に、オフサイトPPA と オンサイトPPA の違いを見て行きましょう。
順番に解説して行きます。
オフサイトPPA と オンサイトPPA を比較して、オンサイトPPAの方が優れている点は、
という4点が大きなポイントです。
両者を比較する中で、特に大きなポイントが
「オフサイトPPA は契約ハードルが非常に高い」という点です。
大規模な発電所の導入費用を PPA事業者 が負担し、長期間かけて電気料金から回収していくため
途中で倒産などしない企業と契約する必要があるため
契約ハードルが高く、現状は導入できているのは大手企業ばかりであるのが実情です。
さらに大きなポイントが「オンサイトPPA のほうが電気料金が安価」である点です。
前述のように、オンサイトPPA の電気料金単価は「9~11円/kWh」が目安になりますが、
オフサイトPPA の電気料金単価は、下記のようになっています。
出典:自然エネルギー財団「コーポレートPPA日本の最新動向(2022年8月)」
オフサイトPPA の電気料金は、このように オンサイトPPA より割高になっており、
現在の「高騰している電気料金」と比較すれば安価なのですが、「高騰前の電気料金」と比較すると割高になってしまいます。
オフサイトPPA は、再エネ賦課金 を負担する必要があります。
前項の電気料金は 再エネ賦課金 込みになっており、オンサイトPPA の電気料金と比較して割高になる一因になっています。
オフサイトPPA は、遠隔地にある発電所から送配電網を介して送電されていますので
災害時に送電網が途絶してしまうと、通常の電気と同様に停電になってしまいます。
オンサイトPPA は、同じ施設内で送電するため、災害時に送電網が途絶しても、非常用電源として活用することができます。
同様に、オンサイトPPA の方が劣っている面もあります。
オフサイトPPA の方が、広い土地に太陽光発電所を設置することができるため、
大規模な発電が可能になります。
また、どちらにも共通する特徴もご紹介しておきます。
オフサイトPPA と オンサイトPPA に共通する特徴は以下の通りです。
共通する部分は「PPAモデル の特徴」であると言えます。
それでは、オフサイトPPA と オンサイトPPA を比較した際に、
それぞれを選択するのはどんなポイントがあるのでしょうか?
オフサイトPPA と比較して、オンサイトPPA を選択するケースとしては
といった場合に、選択するケースが多いです。
反対に、オフサイトPPA を選択するケースとしては、
といった場合に、選択するケースが多いと考えられます。
続いて、オンサイトPPA とリースモデルの比較を見て行きましょう。
まず、リースモデルとはどのようなモデルなのでしょうか?簡単に解説して行きます。
リースモデルは、図のように
というモデルです。
オンサイトPPA と非常によく似ているモデルに見えるのですが、さまざまな違いがあります。
それでは具体的に、リースモデルと オンサイトPPA の違いを見て行きましょう。
順番に比較して行きます。
まず「発電所」と「発電した電気」の所有者の違いについて見て行きましょう。
「発電所の所有者」については「オンサイトPPA は PPA事業者」、
「リースモデルはリース会社」が発電所の所有者であり、
どちらも自社(需要家)は所有者ではありません。
しかしながらリースモデルは「発電所を自社(需要家)に貸す」という形になるため、
「発電した電気」の所有者が変わってきます。
オンサイトPPA で発電した電気は、これまでも解説してきたように、「PPA事業者 の電気」ですので、自社(需要家)は「PPA事業者 から電気を購入する」必要があります。
しかしながらリースモデルの場合には「発電所を借りている」ため、
「発電した電気は、自社(需要家)のもの」になります。
こうした点を踏まえて、電気料金やリース料金などの「月々の費用」の特徴を比較してみます。
電気料金を比較すると、前項で解説したように
オンサイトPPA は電気料金がかかりますが、リースモデルは「発電した電気は、自社(需要家)のもの」であるため、電気料金がかかりません。
となると、リースモデルがかなり得のように見えますが、
リースモデルでは、電気料金がかからない代わりに「リース料金」がかかります。
オンサイトPPA では「電気料金」、リースモデルでは「リース料金」が月々かかりますが
「オンサイトPPA の電気料金」のほうが安価で、
「リースモデルのリース料金」のほうが高くつきます。
「リースモデルのリース料金」は「オンサイトPPA の電気料金」と比較して高くなりますが
その分「契約期間は一般的に10年間」で、「オンサイトPPA の15~20年間」と比較して短くなります。
つまり、リースモデルは、オンサイトPPA と比較して
という特徴があるのです。
また、両者の「月々の費用」は「変動性」においても違いがあります。
オンサイトPPA は「電気を使った分だけ」費用が発生しますが、
リースモデルは、基本的に「固定価格」になるため、電気をどれだけ使っても費用は変わりません。
リースモデルは、費用が「固定価格」ですので、先の見通しが立てやすい面もあります。
月々の費用とは話が変わりますが、
オンサイトPPA では、できなかった「余剰売電」が、リースモデルでは可能になります。
前述のように、発電した電気は自社(需要家)のものになりますので
自分で使うことはもちろん、余った電気を売る事もできるのです。
また、両者に共通する特徴は、以下の通りです。
オンサイトPPA もリースモデルも、導入費用やメンテナンス費用はかからず、
契約期間中は、発電設備の部品交換や処分はできないという特徴は同じです。
それでは、オンサイトPPA とリースモデルを比較した際に、
それぞれを選択するのはどんなポイントがあるのでしょうか?
リースモデルと比較して、オンサイトPPA を選択するメリットとしては
という点です。
リースモデルよりも支払期間が長期間になってしまいますが、
支払期間よりも「月々の費用の軽減」を重要視する場合には、オンサイトPPA の方が向いていると言えます。
反対にリースモデルは、
といった場合に、選択するケースが多いと考えられます。
このように、さまざまなモデルがある「自家消費型太陽光発電」において
用途に応じていろいろな選択が可能であることがお分かりいただけたかと思います。
中でも、オンサイトPPA は、今後も大きく伸びる見通しと考えられています。
参考:日経BP:メガソーラービジネス「国内の自家消費太陽光市場、2035年に4GW超に」
「オンサイトPPA」は、比較的参入するハードルが低いため、
現在の日本では、導入しやすい「自家消費型太陽光発電」であると言えます。
それでは実際に、オンサイトPPA を導入する際にはどこにお願いすればいいのでしょうか?
「オンサイトPPA」のサービスを提供している、代表的な PPA事業者 をご紹介していきます。
具体的な導入に入る際にも、参考にしてみてください。
オリックス株式会社は、オンサイトPPA だけでなく オフサイトPPA のサービスも提供しています。
契約期間終了後には「設備の譲渡」だけでなく「契約延長」の選択肢もあります。
HPでは、事例として「スーパーマーケットバロー下恵土店(岐阜県可児市)」「スーパーマーケットバロー三園平店(静岡県富士宮市)」への導入例が紹介されています。
詳細はこちら:オリックス株式会社「PPAモデル(第三者所有モデル)」
大手総合建築会社の「大林組」も、オンサイトPPA のサービスを提供しています。
2023年3月には、オンサイトPPA の第一号として、大林グループ内での オンサイトPPA モデルでの電力供給が開始しています。
詳細はこちら:大林組のグリーンエネルギー事業「オンサイトPPA」
株式会社アイ・グリッド・ソリューションズの オンサイトPPA は、2022年11月時点で「契約件数累計135社1,215施設/発電容量274MW」の多くの実績を持ち、オンサイトPPA の国内シェアNo1(当時)になっています。
詳細はこちら:株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ「法人向け電力供給事業」
関西電力株式会社も、オンサイトPPA のサービスを提供しています。対象条件として、利用期間は標準で20年間、設置場所の面積は1,500㎡以上という条件があります。
余剰売電を活用して、電気料金を低減するサービスも行っています。
詳細はこちら:関西電力株式会社「補助金採択実績も多数 太陽光発電 オンサイトサービス」
株式会社Looopも、契約期間終了後は「無償譲渡」「契約延長」が選択できます。
導入事例では、工場などへの導入事例が紹介されています。
詳細はこちら:株式会社Looop「法人向け 自家消費型太陽光発電 PPA事業/購入」
ガス会社である東邦ガス株式会社も、オンサイトPPA サービスを提供しています。
契約期間は20年で、契約期間後は無料譲渡になります。
詳細はこちら:東邦ガス株式会社「オンサイト太陽光発電システム(PPAモデル)」
大和ハウス工業株式会社の子会社「大和エネルギー株式会社」でも オンサイトPPA のサービスを提供しています。
オンサイトPPA だけでなく「新電力への切替」と組み合わせて、基本料金の削減も含めた削減を行います。
詳細はこちら:大和エネルギー株式会社「初期投資ゼロでCO2排出量と電気料金を削減へ」
続いて、オンサイトPPA の事例についても見て行きましょう。
株式会社大林組のグループ会社である「株式会社大林クリーンエナジー」は、
同じグループ会社の「株式会社サイプレイス・スナダヤ」にて、2MWにおよぶ大規模な オンサイトPPA を開始しました。
同じグループ内で行う オンサイトPPA であり、
工場屋根でありながら、2MWという大規模な発電施設であることが特徴です。
詳細はこちら:株式会社大林組「大規模製材工場でオンサイトPPAによる再エネ電力供給事業に着手」
ポテトチップスなどで有名な「湖池屋」は、九州工場に オンサイトPPA で再生可能エネルギーを導入しています。
余った電気は「FIT(固定価格買取制度)」ではなく「FIP制度」を使って売電している点が特徴的です。
これまで記事の中では「オンサイトPPA では売電できない」と解説してきましたが、
PPAモデル においては「PPA事業者 が売電を行う」ことはできます。
その場合、自社(需要家)が直接売電はできませんが、PPA事業者 が売電で利益を得られる分、PPA事業者 から購入する電気の単価が低減されるなどのメリットがある場合もあります。
詳細はこちら:環境ビジネス「湖池屋九州工場、オンサイトPPAで再エネ導入 余剰電力はFIPで売却も」
熊本空港は、オンサイトPPA を活用し、カーポートへの太陽光発電導入を開始しました。
電気を使用するのは熊本空港ですが、
九州電力と三井不動産2社共同で設置・所有・運用し、発電所の持ち主である PPA事業者 となります。
元々は屋根の無かった駐車場に屋根を設置し、その上に太陽光発電を設置。
発電のスペース作りだけでなく、夏の遮熱効果や悪天候時の雨除けとしても機能します。
発電した電気は、開業予定の新ターミナルビルで使用する予定で、
ビルの使用電力の約1~2割程度を賄い、さらに熊本空港全体のCO2排出量を約10%削減できる見込みです。
新・公民連携最前線「熊本空港・駐車場にオンサイトPPAでメガソーラー、九電と三井不」
キリンビールは、国内3工場(海道千歳工場、取手工場、岡山工場)への オンサイトPPA による 自家消費型太陽光発電 を導入することを決定。
PPA事業者 は、三菱商事エナジーソリューションズ株式会社の子会社、MCKBエネルギーサービス株式会社です。
この3工場への オンサイトPPA 導入により、年間約1,600tの温室効果ガス排出量を削減できる見通しで、キリンビール全体の使用電力の再エ比率も、現状の約28%から約30%に向上させることができる見通しです。
PRTIMES「国内ビール3工場へのPPAモデル※1導入による太陽光発電電力の活用」
いかがでしたでしょうか?
オンサイトPPA の特徴や他のさまざまな 自家消費型太陽光発電 のモデル
との違いがご理解頂けたのではないかと思います。
が、本記事で把握できたかと思います。
ぜひ オンサイトPPA の導入検討の参考資料として
お役立て頂けますと幸いです。