「BCP対策 に取り組もう!」という方にとって「ややこしい」のが、
「BCM って BCP とどう違うの?」という点ではないでしょうか?
BCM、BCP、BCMS、防災・・・
これらの用語の意味は、どれも非常に似ていて微妙に異なりますので、混乱しがちです。
この記事では、BCM の意味と、それに関わる用語の意味と微妙な違いについて
わかりやすく解説していきます。
それでは BCM の意味を理解する為に、
まずそれぞれの似た意味の単語をを簡単に一行でご紹介します。
並べて比べてみましょう。
BCP を運用/マネジメントすること。
(それでは BCP の意味は・・・?)
災害などの緊急事態に直面した際にも、企業が事業を継続できるように備えておく計画のこと。
災害に対して備えること。
BCM を継続的に行う為に「PDCAサイクル」等を用いる経営手法のこと。
いかがでしょうか?
普段 BCP 関連の情報の中で各用語が混在すると分かりにくいのですが、
こうしてそれぞれの意味を並べて比較すると、違いが分かりやすいのではないでしょうか?
これでも十分意味はご理解頂けたかと思いますが、
より違いを深く理解する為に、
それぞれの意味と違いを見て行きましょう。
BCP とは、事業継続計画(Business Continuity Plan)の頭文字から取った言葉です。
災害時等の緊急事態においても、企業を存続させるために
予め立てておく「計画」のことです。
このように「計画」として定めておくことが BCP です。
BCM や他の単語と意味との混乱を避ける為には、
BCP は「計画書」の「視覚イメージ」を持っておくと分かりやすいです。
続いて「BCP」と「防災」の違いについて確認して行きましょう。
どちらも災害に備える点では同じです。
しかし、その「目的」はどうでしょうか?
このように、目的は少し違っていますが、
「事業を継続する」目的の中には「従業員や設備を災害から守る」ことも含まれています。
つまり、BCP と防災の「目的」を図にしてみると、このような関係になるのです。
BCP の中にには「防災」も含まれている。
このように、上の図を「視覚イメージ」として持っていただければ分かりやすいでしょう。
それではいよいよ本題の「BCM」です。
BCMとは「BCP を運用/マネジメントすること」です。
事業継続マネジメント(Business Continuity Management)の頭文字からそう名付けられています。
BCP は「計画」です。
しかし計画しただけで、実際に緊急事態に対応できるでしょうか?
立てた「計画」がいざという時にしっかり実行できるように、
社内全体に落とし込み、普段から教育や訓練を行っておく必要があるのです。
例をあげて見て行きましょう。
これは一例ですが、BCM を行わず、BCP を定めただけの状態では
社内に「知られていない」「忘れてしまう」ということが起こります。
こうなってしまうと、BCP はまったく役に立たないものになってしまいます。
このように、BCPで定めただけでは、いざという時に「計画倒れ」になってしまう可能性もあります。
その為「BCM」を行い、社内への周知と訓練を行っていく必要があるのです。
BCP との違いを分かりやすくするには、
下記のように BCP(計画書)を手に教育や研修を行っている人のイメージを持っておくと分かりやすいでしょう。
ここまで、BCMやBCP、防災の違いはお分かりいただけましたでしょうか?
それでは次に「BCMS」について解説して行きます。
「BCMS」は和訳すると「事業継続マネジメントシステム」という意味で
(Business Continuity Management System)の頭文字から「BCMS」と呼ばれます。
非常に BCM と似ており、使われる頻度も高くありません。
実際に BCMS を意味することを BCM として紹介されているサイト等も多くあります。
BCP(計画書)で定めた計画を、BCM(マネジメント)しながら浸透させていく。
一見、BCPへの取り組みはこれで十分なように思えます。
しかし、実際に避難訓練などをやってみると
「これは実際には危険なんじゃないか?」など
やってみて初めて気が付く改善点もあります。
そうした改善点を見直しながら、BCP(計画書)を改善し、
より実効性のある計画にしていく為の「経営手法」を「BCMS」と言います。
BCMS で最も分かりやすいのは「PDCAサイクル」でしょう。
BCP やBCM との関連性も合わせて、下のようなイメージで覚えておくと分かりやすいでしょう。
いかがでしたか?
「BCM の意味」や「類似した用語との違い」をご理解頂けたのではないかと思います。
下に確認テストもご用意していますのでぜひ一度やってみてください。
また、BCP対策については別記事で詳しく解説していますので、
そちらもお読み頂ければ、BCM や BCP に対する理解もより深まるかと思います。
そちらも併せて、是非御社のBCP対策にお役立てください。