省エネの教科書とは

【令和5年度予算】「GHP」や「LPガス発電機」に使える補助金

※2023年7月03日更新
 ご紹介している補助金制度の令和5年度予算の公募は終了しました。
 また新たな募集がありましたら、本記事でお知らせいたします。
 (公募終了していますが、公募時の内容を残しておきます)

台風や豪雨による被害が毎年頻発しており、
近年は特に災害に対する BCP対策 への注目が集まっています。

その中で近年では、LPガス を非常用電源やGHP(ガスヒートポンプ)に
活用する手法が注目されています

BCP対策 に効果的な LPガス ですが「導入コストが高い」点がデメリットです。

そこで今回の記事では、LPガス を使った非常用電源や、GHP(ガスヒートポンプ)導入に使える
補助金制度」について詳しく解説いたします。

LPガス を使って省エネや BCP対策 を行うことをご検討の際には、
ぜひこの情報をお役立てください。

※「蛍光マーカーが引いてある専門用語」にカーソルを合わせれば解説が表示されます。
省エネにあまり詳しくない方にも分かりやすい記事をお届けするため、
あらゆる専門用語に解説を付けています。どうぞお役立てください。



災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金

現在、LPガス による非常用電源や GHP(ガスヒートポンプ) 導入に使用できる補助金は、
災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金」と言います。

GHP(ガスヒートポンプ)って何?という方はこちらをご参照ください。

どれくらい補助してくれるの?

LPガス を使った「災害バルク貯槽/LPガス発電機/GHP」 等の購入費と設置費用を
最大で「3分の2」補助して貰える制度です。

対象となる条件もありますので、そちらは後述していきます。

期間はいつまで?

公募期間は

令和5年(2023年)5月31日(水)~令和5年(2023年)6月30日(金)※現在は公募終了

となっています。

本記事をご覧いただいた段階で上記期日を過ぎている場合には、
下記サイトで最新の公募期間をご確認ください。

一般社団法人エルピーガス振興センター「石油ガス災害バルク等の導入事業費補助金」

補助金制度の目的

この補助金は「LPガスを使って、災害時における避難所の非常用ライフラインを維持できる施設を増やす」ことを目的とした制度です。

大規模な災害等が発生した時に、系統電力、都市ガスや水道の供給が途絶した場合でも、

避難困難者が多数生じる医療施設や福祉施設、公的避難所及び一時避難所となり得る施設等はライフラインの機能を維持することが求められます。

振興センターは、国の補助金の交付を得て、
自衛的な燃料備蓄のためにLPガス災害バルク等の設置に要する経費の一部を補助することにより、災害発生時においても、これらの施設等に対するLPガスの安定供給の確保を図り、その機能を3日間以上維持させることを目的としています。

 

引用:LPガス災害バルク等の導入補助金「補助金申請の手引き」

この目的と、制度の諸条件は関連してきますので、覚えておきましょう。

対象となる施設

次に、対象となる施設を確認して行きましょう。

避難に困難が生じる施設

避難所まで避難することが困難な人たちが多い医療施設福祉施設が対象となります。

公的避難所

自治体庁舎公立学校公民館体育館などの
災害時に避難所として活用される施設も対象となります。

一時避難所になり得る施設

民間の工場事業所商業施設私立学校旅館マンション等
はこちらが対象になってきます。

但し、条件があります。

「避難所として活用できる」必要がある

避難所として活用できることを地方公共団体から認知されている」必要があります。

重要なのは、補助金の目的でもお話したように、
災害時の一時避難所」として御社の施設を活用できるようにしておく必要がある点です。

地域からの信頼性を高める

災害時に、自社の非常用電源としてだけでなく
近隣地域の方にも活用してもらうことは、負担にはなります。

しかしながら、いざという時に地域の方々を助ける姿勢は、
CSR の観点からも大きなメリットになります

この機会にそうした面でも考えておくと良いでしょう。

一時避難所の要件

補助金の対象になるには「避難所として活用できる」ことを
次のいずれかの方法で地方公共団体に認知して貰う必要があります。

1)一時避難所として、地方公共団体の認知が確認できる協定書や覚書等があること。
2)一時避難所として、地方公共団体のホームページで公表されている、または何らかの形式で地方公共団体から証明されている。

引用:LPガス災害バルク等の導入補助金「補助金申請の手引き」

申請の手引きでは、こう記載されていますので、こちらを基準に進めておくと良いでしょう。

対象設備

続いて、対象となる設備を見て行きましょう。

災害バルク貯槽またはシリンダー容器

災害バルク貯槽 または シリンダー容器 も補助対象になります。

LPガスを貯蔵する容器に 災害バルク貯槽 を選定する場合は、必ず購入することが必須要件になりますが、貯蔵する容器を シリンダー容器 とする場合、購入は必須ではありません。

災害バルク貯槽とは?

バルク貯槽とは?

バルク貯槽 とは、LPガス を貯めておく写真のようなタンクのことです。

バルク貯蔵

では災害バルク貯槽とは?

上記のような バルク貯槽 に、ガス供給が必要な機器や調理器具などを直接接続できるように
ガス栓を一体化している貯槽です。耐震性も通常のバルクよりも高くなっています。

シリンダー容器とは?

一般的には「ガスボンベ」とも呼ばれる、写真のような容器です。

LPガスシリンダー

こちらにも バルク貯槽 同様に、必要な機器や調理器具などを直接接続できるようにしておくことが条件になっています。

貯槽やシリンダーだけで災害時にも使用できるように

この補助金では、この条件で「バルク貯槽シリンダー容器」だけでも申請できます。

目的の項でもお話した通り、災害時の非常用燃料として単独で使用できるようにするため
調理器具などに直接接続できるようにしておく必要があるのです。

LPガス発電機

LPガス発電機 も、この補助金の対象になります。

GHP(ガスヒートポンプ)

LPガスで稼働させる空調「GHP(ガスヒートポンプ)」も対象になります。

但し、GHP には電気も必要になります。
非常用電源などから電気を供給できる、または電源自立型GHPなど、
停電時にも起動できることも条件になっています。

燃焼機器

LPガス を使用する、調理機器や給湯器なども対象になります。

こちらも GHP 同様、系統電力や水道等のライフラインが途絶した場合にも
独立して稼働できることが、補助金の条件になっています。

簡易スタンド

こちらは一般的な企業にはあまり関係ありませんが、
簡易的なLPガススタンドを設置する場合、対象となります。

対象となる経費

上記に挙げたような機器の購入費と、設置工事費が対象になります。

但し、常時使用する為の配管や電気配管部分は補助金の対象外となる為注意が必要です。

補助率

避難困難者が生じる施設

医療施設や福祉施設が該当します。
中小企業が運営する場合には2/3以内、それ以外の場合には1/2以内の補助率となります。

公的避難所

公的避難所の場合には、補助率1/2以内となります。

一時避難所

一時避難所に該当する民間施設の場合には、補助率1/2以内となります。

交付限度額

交付限度額は、導入する設備によって異なります。

1.LPガスを貯蔵する容器と供給設備のみの場合、交付限度額は1,000万円
2.上記1+補助対象LPガス設備(次の3を除く)の場合、交付限度額は3,000万円
3.上記1+発電機(コジェネレーション含)+空調機器の場合、交付限度額は5,000万円

まとめ

いかがでしたでしょうか?

災害時の対策の為にLPガス関連機器を導入する場合、
補助金を得ることができます。

補助金には期限もありますので、
活用される際にはお早めに導入をご検討ください

本記事が、御社のBCP対策のお役に立てますと幸いです。