近年、日本の気温上昇や9月まで続く異例の猛暑が大きな話題となっています。
2025年の夏は観測史上最も暑い夏となり、9月も猛暑日が続く異常な残暑が注目されています。
本記事では、「2025年9月の気温予測」と「日本の近年の猛暑傾向」について
していきます。
役立つよう構成していますので、ぜひ最後までご覧ください。
2025年の夏(6〜8月)は、日本の観測史上でもっとも記録的な猛暑となりました。
日本気象庁によれば、夏の全国平均気温の平年差は+2.36℃となり、
2023年・2024年の+1.76℃を大きく上回る過去最高の記録となっています。
特に、北日本で+3.4℃、東日本で+2.3℃、西日本で+1.7℃と、
いずれも1946年の統計開始以降、最も暑かった夏でした。
さらに、全国153の気象台・測候所のうち132地点で、
夏の平均気温が史上1位(またはタイ記録)を記録し、
アメダスでの猛暑日地点数の積算は2010年以降で最多の9,385地点に達しました。
出典:気象庁「2025年夏(6〜8月)の日本の平均気温の記録について」
出典:気象庁 季節予報(2025年8月公表)
さらに、極端な高温も多く観測されました。
群馬県伊勢崎市では8月5日に日本の最高気温記録を更新する41.6℃を記録し、
兵庫県丹波市や京都でも40℃前後に達する地点が相次ぎました。
出典:Reuters「Japan sets highest-ever temperature record 41.6℃」
出典:The Guardian「Weather tracker: record heat in Japan and South Korea」
この猛暑日続出の背景としては、海水温の異常な上昇が特に重要な要因です。
三重大学の立花義裕教授は、海に蓄積された熱が“釜ゆで状態”を生み、
例年以上に熱が逃げにくい状況になっていると指摘しています。
これに加えて、太平洋高気圧やチベット高気圧が強く張り出した状態が続いたことが、
猛暑日の頻発をさらに後押ししました。
出典:農業協同組合新聞「“釜ゆで状態”の日本列島で猛暑日続出」
日本気象協会によると、2025年9月前半(8月30日〜9月12日)は全国的に平年を大きく上回る高温傾向が続く見込みです。
特に東海〜九州では熱中症リスクが「危険」ランクに達する可能性も指摘されています。
出典:日本気象協会「2025年9月の気温傾向※8/21現在」
9月後半(9月中旬以降)は、気温は依然として高く、
広い範囲で「警戒〜厳重警戒」ランクが続く見通しです。
気象庁の1か月予報でも、9〜10月にかけて全国的に平年より高い気温となる予想が出ており、
実際に東京では9月中旬頃まで最高気温30℃を上回り、
快適さを感じるのは下旬に入ってからとの見解もあります。
出典:日本気象協会「9月も全国的に残暑厳しく秋の訪れ遅い」(8月28日)
出典:気象庁3か月予報および日本気象協会「東京で体感快適になるのは9月下旬頃から」
地域別の傾向では、関東や東海〜九州では前半に“危険”レベルの猛暑リスクがあり、
後半も「警戒」〜「厳重警戒」が継続する予想です。
一方、北日本や東北では標準的な傾向となる可能性が高いものの、南の高温が影響し、
東北南部でも一部「厳重警戒」エリアとなる可能性があります。
出典:日本気象協会「2025年9月の気温傾向※8/21現在」(地域別熱中症ランク)
2025年の日本の異常な猛暑は、太平洋高気圧とチベット高気圧が重なり合う
「ダブル高気圧構造」が形成されたことが大きな要因です。
この高気圧配置が日本列島を広く長期間にわたり覆い、夏の暑さが長引く結果となりました。
さらに、6月に多くの熱が蓄積される「トリプル高気圧現象」も発生し、
海水温が異常に上昇した状態に拍車をかけました。
出典:N-Dran「2025年の夏は暑い? 気温予想や猛暑の原因・特徴を解説」
出典:nippon.com「秋まで続く? 日本の猛暑:6月の異常高温が引き金」
気候科学によると、地球温暖化が進行することで高温現象の発生頻度が著しく上昇しています。
東京大学の研究では、2025年7月下旬に観測された極端高温について、
温暖化がなければ1万年以上に一度の発生率が、温暖化により約31年に1度の頻度に跳ね上がった
と分析されています。
まさに“温暖化により猛暑が当たり前になった”現象といえます。
出典:Weathernews「7月の記録的高温は地球温暖化の影響」
気象庁は今秋(9~11月)の見通しで、太平洋高気圧の勢力が強いため「季節の進行が遅れ、夏が長引き、秋が短くなる可能性」があると予測しています。
また、地球温暖化によって暖かい空気に覆われやすくなり、偏西風の北寄りへの蛇行が進行しやすくなるため、涼しい空気の南下が遅れる傾向にあることも背景にあります。
2025年9月に入っても、猛暑日は止まらず、
全国で250地点超で猛暑日を記録し、9月としては最多を更新しました。
関東の内陸部では再び体温に迫るような暑さとなり、
依然として熱中症への厳重な警戒が必要です。
暑さに対応するため、エアコンが長時間稼働することが家計に重くのしかかっています。
温度設定を1℃下げるごとに、1日の電気代が約18~20円増加し、例えば28℃設定では960円、
22℃設定では2,208円と倍以上の差が生まれます。
出典:電気代実測データ「猛暑日のエアコン代」
また、猛暑対策費用として2024年実績では26,250円、2025年は28,497円と前年比109%に増加する見込みで、家計への圧迫も深刻です。
出典:PR Times「猛暑対策費用、2025年は28,497円と増加見通し」
猛暑の影響は「体調(53.2%)」「睡眠(44.0%)」に加え、「食生活にも影響」と回答した人は41.6%に上ります。
出典:PR Times「暑さの影響、睡眠・食生活にも」
具体的には「冷たい料理を選ぶ(25.2%)」「一品で済ます(25.0%)」「火を使わない(24.8%)」など、
手間を省く傾向が鮮明です。
出典:同上
さらに、猛暑下では睡眠の質も低下し、不眠や睡眠不足に悩む人が増加。
慢性的な睡眠不足は糖尿病リスクの上昇にもつながることがわかっています。
出典:DM-net「睡眠不足は糖尿病悪化につながる」
気象庁の3か月予報(9~11月)によれば、9月から10月にかけて全国的に気温が平年より高く推移する確率は60%以上と見込まれており、特に9月はその確率が70%に達する高温傾向が予想されています。
これにより、夏の終わりが長引き、秋の到来が遅れる可能性が高まっています。
出典:ウェザーニュース「気象庁3か月予報:高温傾向が継続、夏が長引き秋は短く」
例年、日本では9月が最も台風の影響を受けやすい時期であり、秋の訪れが遅延する一因として台風による気温変動や豪雨被害のリスクも無視できません。
台風は、残暑の中に突然の冷たい前線や大雨をもたらすことで、天候が不安定になる要因となります。
出典:Wikipedia「Climate of Japan」(日本の気候 — 夏から秋にかけての台風傾向)
海外の気候専門家からは、日本が“四季の国”としての気候特性を失うリスクがあるという指摘が出ています。
特に、春と秋がほとんど存在せず、夏と冬のみの二季になりかねないという見解もあり、
今後の気候変動が長期的に猛暑を常態化させる可能性が高いとされます。
出典:nippon.com「So Long, Spring and Autumn: Japan Losing its Four Seasons to Climate Change」
2025年の夏から9月にかけて、日本は観測史上最も暑い夏を記録しました。
全国平均気温の平年差は+2.36℃と、1898年以降で最大値を更新し、
北日本・東日本・西日本のすべてで過去最高となりました。
さらに、9月に入っても全国で250地点以上が猛暑日となり、
平年では考えられない高温が続きました。
長引く猛暑は、熱中症リスクや電気代の高騰など、日常生活に直接的な影響を与えました。
エアコンの長時間使用による家計負担や、睡眠不足・食生活の乱れなども深刻です。
だからこそ、冷房の効率的な利用、水分・塩分補給、冷感グッズや遮熱カーテンの活用など、残暑に対応するための工夫が不可欠です。
今後も気候変動の影響で、猛暑が常態化し、秋の訪れが遅れる可能性があります。
研究者は、日本の四季が「夏と冬の二季」になりかねないと警鐘を鳴らしており、社会全体での長期的な備えが求められます。
具体的には、都市の緑化や建物の断熱強化、省エネ家電の導入などの対策が重要です。